和の暮らし

七十二候:雉始雊(きじはじめてなく)|春を告げる雉と、太宰府天満宮の梅のはな

こんばんは。久美子です。
今日はまるで春のような、暖かな陽気の福岡でした。

七十二候では雉始雊きじはじめてなくの頃、
きじのオスが、メスを求めて鳴き始める時季です。

とは言え、私はきじの鳴き声を、まだ一度も聴いたことがありません。
警戒心がとても強い鳥ゆえか、姿を見かけたこともないのです。

雄雉の、あの美しい羽や長い尻尾。
ぜひ一度、実際にお目にかかってみたいものです。

桃太郎は何故、お共に雉を選んだ?

きじと聞いて、
真っ先に思い浮かんだのは「桃太郎」🍑

幼心ながら、「なぜ桃太郎は雉をお供に選んだのだろう?」と、不思議に思っていました。

どうやらその理由は、きじの性格にあったようです。

オスの雉は、とても勇敢で賢く、用心深い鳥。
故に桃太郎の物語では、偵察役やメッセンジャーのような立ち位置で描かれているのだとか。

だけど雉って、飛ぶのはあまり得意ではないのですって。その代わりに、足が速い。なんと時速30kmに達する速度で地面を駆けるそうです。

一方、メスの雉は
鳥界きっての母性愛の持ち主」。

焼け野の雉、夜の鶴」ということわざがあるほど、母性愛の深さで知られています。

焼け野の雉、夜の鶴
∟巣のある野を焼かれた際、わが身に代えて子を救おうとした、メス雉の姿をなぞらえた言葉。

その勇敢さや、静かで深い母性愛には、どこか日本人らしさを感じさせます。

桃太郎と共に旅をしたのも
国鳥に選ばれているのも、
納得なのかもしれません。

春を告げる雉と、太宰府天満宮の梅

さて、話変わりまして。
愛してやまない太宰府天満宮では、もう間も無く「梅祭り」の時季を迎えます。

太宰府天満宮には、約200品種、6,000本もの梅の木が植えられており、花のかたちも色合いもさまざま。

甘い香りに包まれながらゆるりと歩いているだけで、心が洗われるようです。

京都から太宰府へ――
いわれのない罪で左遷される折、菅原道真公は
こんな歌を詠んでいます。

東風こち吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ

「東の風が吹いたら、その香りを私のいる太宰府まで届けておくれ。家の主人がいなくても、春を忘れて咲くのをやめてはならないよ」と言う意味の和歌。

それほど梅をこよなく愛した道真公は、今の太宰府天満宮を目にして、どんなことを想われるのでしょう。

6,000本もの梅の木々は、奉納として植えられたもの。

これほどまでに人々に愛され、慕われ、大切にされてきたのだと思うと、胸がじんわりと熱くなる私なのでした。